【現役審判員が詳しく説明】アディショナルタイムとは?

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サッカーの試合の前半と後半の終了間際に出ててくるアディショナルタイム。

サッカーを見たことがある人なら一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

本記事ではサッカー2級審判員の筆者が、アディショナルタイムについて詳しく説明します。

アディショナルタイムって何?聞いたことはあるけどよく知らないというような方にも分かるようにまとめています。

サッカーを始めたばかりの方やサッカー観戦をされる方に是非読んで頂きたいです。

また、アディショナルタイムのことを知っている人も、もしかしたら知っているつもりで間違った認識かもしれません。

サッカー詳しい、一度目を通しておさらいしてみてください。

アディショナルタイムとは

JリーグのHPより

ずばりアディショナルタイムとは、

競技者の交代、負傷、懲戒処置、得点の喜びなどにより「空費された」分を試合の前半、後半の終了時に延長する時間のこと。

後で紹介しますが、これら以外にも対象となる項目があります。

アディショナルタイムの決め方は?

アディショナルタイムの時間を計測しているのは主審です。

主審がアディショナルタイムを決定します。

主審は競技規則にのっとって、アディショナルタイムの時間を決めます。

ホームチームを有利にするために、アディショナルタイムを短くしようとか長くしようとかそういったことは一切ありません。

アディショナルタイムとロスタイム

ちなみに、アディショナルタイムは、以前はロスタイムと呼ばれていました。

近年ではアディショナルタイムと呼ぶことになっています。

競技規則もアディショナルタイムという表記になっています。

ロスタイムでも意味は通じますが、アディショナルタイムと言いましょう。

競技規則によるとアディショナルタイム追加の対象は7項目

競技規則によると以下の7項目がアディショナルタイム追加の対象となります。

主審はこの7項目に照らし合わせてアディショナルタイムの時間を決めています。

アディショナルタイム追加の6項目
  • 競技者の交代
  • 負傷した競技者の負傷の程度の判断や競技のフィールドからの退出
  • 時間の浪費
  • 懲戒の罰則
  • 「飲水タイム」や「クーリングブレイク」など、競技会規定で認められる医療上の理由による停止
  • VARのチェックやレビューに関わる遅延
  • プレーの再開を著しく遅らせる行為(例えば得点の喜び)を含む、その他の理由

少し堅苦しい表現ですので、それぞれ具体的にどんな内容か紹介します。

競技者の交代

試合中に選手が交代するときのことです。

選手の交代にかかった時間が追加時間の対象となります。

審判資格を取るまでは、選手交代の時間はアディショナルタイムに含まれないものだと思っていました。

勝っているチームが試合終了間際に選手交代を行うことも多いのですが、テレビの実況や解説などで、時間を使うための交代ですみたいなことをよく言っています。

恐らく、それによって勝手にそう思い込んでしまっていたと思います。

もしかしたら、昔の私と同じように思われている方も多いかもしれません。

しかし、実際は交代時間中は審判の時計は止まっています。

なので、選手交代によって時間を使うという認識は間違っているんです。

選手交代については、プレーの流れを切って、相手チームの勢いを弱めたり、負けているチームを焦らせたりする効果はあるとは思います。

交代のときに外に出る選手がゆっくり歩いて時間を使っている場面も見ますが、あれも試合時間的には意味がありません。

こちらも同様に、相手チームをより焦らせたりイラつかせる効果はあると思います。

負傷した競技者の負傷の程度の判断や競技のフィールドからの退出

こちらも読んで字のごとくです。

ケガの程度の確認や、選手がフィールドの外に出るときにかかった時間が追加の対象となります。

ゴールキーパーが負傷した場合は、フィールドの外で治療することができませんので、治療が長引いた場合はその分アディショナルタイムも長くなります。

時間の浪費

これはどんな内容か明確に定義されていません。

プロの試合ではあまり該当する項目はないかもしれません。

パッと思いつくのは、乱入者が入ってきてプレーが止まったとか、コーナーフラッグが折れて交換したとか。

そんな感じでしょうか。

アマチュアの試合であれば、ボールが遠くに飛んでいって取りに行くのにすごい時間がかかった時などはこれに該当すると思います。

懲戒の罰則

イエローカードやレッドカードを出すことを懲戒の罰則と言います。

イエローカードやレッドカードを出すためにかかった時間が追加の対象となります。

警告や退場が発生した場合は、プレーが止まります。

主審も記録を行わないといけないですし、退場の場合は選手が外に出るまで試合を再開できませんので時間の追加が必要となっています。

飲水タイムやクーリングブレイク

飲水タイムやクーリングブレイクにかかった時間も追加の対象となります。

飲水タイムだと約1分の追加。

クーリングブレイクだと大体4分の追加。

となります。

飲水タイムとクーリングブレイクに関しては別記事でも紹介していますので、そちらもご覧下さい。

どちらも今までは熱中症対策として導入されていました。

しかし、最近では感染症対策として選手が共用のボトルを使わないようになっているため、一年を通して飲水タイムが適用されるようになってきています。

VARのチェックやレビューに関わる遅延

これはそのままですね。

VARのチェックやレビューに要した時間です。

プレーの再開を著しく遅らせる行為(例えば得点の喜び)を含むその他の理由

これは主に、得点が入ってからキックオフで再開するまでに、時間がかかり過ぎた場合を想定されています。

その他の理由ともあるので、これだけではありませんが、基本的には得点後の喜びに時間かかりすぎたら時間が追加されるという認識でいいと思います。

アディショナルタイムはその時間ぴったりに終わるわけではない

JリーグのHPより

あまり気にされている方はいないかもしれませんが、アディショナルタイムには幅があります。

例えば2分のアディショナルタイムだった場合、2分が経過したら試合終了というわけではありません。

2分の表示だった場合は、2分台(2分00秒から2分59秒の間)で終われば良いということになっています。

アディショナルタイム中に6項目の内容が発生したら

アディショナルタイム中に6項目の内容が発生した場合は、時間は止まりますが、さらに時間が追加されるわけではありません。

元々のアディショナルタイム分、試合が進めばそれで試合終了です。

例えばアディショナルタイムを5分(5分00秒から5分59秒)取る予定だったとします。

2分経過した時に、選手がケガをして、治療や担架での搬出に4分かかったとします。

試合再開後は3分(3分00秒から3分59秒)試合を行ったら試合終了しないといけません。

4分止まったからといって、+4分して合計6分のアディショナルタイムにしてしまうとNGです。

アディショナルタイムを間違って試合結果が変わったりすると大変なことになります。審判の資格停止などの処分が下される可能性もあります。

これに関しては、Jリーグで一度大きな問題になった事象がありました。

2018年11月24日の清水対神戸の試合です。

記憶されている方も多いかもしれません。

アディショナルタイムが4分だったのが、最終的には色々あって18分まで伸びた件です。

アディショナルタイム中に色んな出来事が起きると、Jリーグ担当の審判員でも終了時間を間違えてしまいます。

自分自身も気をつけたいと思います。

アディショナルタイムの表示

ゲキサカより

アディショナルタイムの表示は、第4の審判員(4審、フォース)が行います。

第4の審判員も大事な審判団の1人です。

第4の審判員が、前半、後半の当初の終了時間ぴったりにボードを使って表示を行います。

サッカー観戦の際には是非注目してみてください。

第4の審判員が一番注目される場面です。

Jリーグではインカム(無線通信システム)を使用して、主審が4審にアディショナルタイムを伝えています。

しかし、Jリーグ以外では、インカムを使うことはありません。

じゃあどうやって、主審は4審とやりとりしているかというと、試合中に主審が4審にアディショナルタイムの時間をこっそり伝えています。

大体試合終了2分前くらいに主審と4審に注目してみるとその様子が分かると思います。

主審は時間を指で書いたりしてます。

4審の方はボードを持ってタッチラインの方に出てきて、主審の合図を受け取っています。

この辺のことについては、4審の役割を説明した記事にも記載していますので、興味のある方は見てみてください。

最後に

今回は、アディショナルタイムについて説明しました。

読んで下さった方の理解が少しでも進んだなら幸いです。

知っていた方も認識は間違っていなかったでしょうか。

サッカーの審判を経験すると、サッカーをやっているだけでは知らなかったことを多く勉強させてもらっています。

またこういった内容の皆様に発信できたらと思います。

最後まで読んでくださってありがとうございました。

【おまけ】

Jリーグで使用しているアディショナルタイムを表示するボードは、「HUBLOT(ウブロ)」や「TAG Heuer(タグホイヤー)」のロゴが入っています。

でも中身はモルテンの電光掲示板です。

価格はなんと40万!!高いです!!

私は1回だけ、このモルテンの電光掲示ボードに出会ったことがあります。

また出会えるように頑張りたいと思います。

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通常は、こんなパタパタ式です。

海外のものはどこのメーカーか分かりません。

また機会があれば調べてみたいと思います。


この記事を書いた人

 

さらしんと言います。会社員をしながらブログを更新しています。週末はサッカーのポンコツ審判員としても活動中。資産形成にも興味あり。まずは100万円を目標に取り組んでいます。大したことはつぶやきませんが、Twitterもやっています。気軽にフォローお願いします。


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