審判報告書(重要事項)の書き方

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今回はサッカーの審判報告書の重要事項の書き方を説明したいと思います。

重要事項は、基本的には競技者や役員が一発レッドとなる反則を犯した際に記入することになります。

ただ、それに限らず、その他にもいくつか記入が必要な場合があります。

記入が必要な事象も色んなケースがありますので、いざその事象を報告書にまとめて提出しなさいと言われても結構難しかったりします(自分もそうでした)。

今回は、自身が指導して頂いたことや、具体的な記入例(一発退場のみ)も用いながら説明したいと思います。

それでは説明に入っていきます。

審判報告書(重要事項)とは

審判報告書(重要事項)は、これです。

審判報告書とセットになっているやつです。

審判報告書の2枚目(別紙)という位置づけです。

一応エクセルのフォーマットも貼っておきます。

競技規則によると

2020/2021の競技規則にはp.297~298に記載があります。

退場の場合、「別紙の審判報告書(重要事項)」に詳細に記入して提出する。ただし、2度の警告の場合、審判報告書に記入する

2度の警告による退場の場合、重要事項を記入する必要はありません。

退場の場合は、一発レッドのときのみ記入する必要があります。

一発レッド以外に記入が必要な場合についても記載があります。

①主審が懲戒の罰則を運用することができない時間帯に懲戒罰に相当する行為があった場合

④副審や第4の審判員に問題があった場合

⑥その他(規則第5条の主審の「権限」「職権と任務」に問題が生じた場合)

一発レッド以外にも記入が必要なケースがありますので注意が必要です。

私自身、一発レッド以外で、記入したことは今のところありません。

また、書き方についても記載があります。

記入の際、次の事項に留意すること

・タイトル

例:「85分Aチーム6番~(氏名)選手による乱暴な行為、退場について」

・客観的な事象

例:「いつ」「どこで」「誰が(誰に)」「どのように」「どうした」

・主審の下した決定

例:「相手競技者の顔を平手でなぐったので、乱暴な行為によりレッドカードを示し退場を命じた」

・退場、退席後の競技者、役員の行動、態度

例:「素直に競技のフィールドから出ていった」

これらを意識して記入していきましょう。

審判報告書(重要事項)の記入のポイント

記入の大事なポイントは2つあります。

指導して頂いた方に何度も言われるポイントです。

ポイント①読む人にどんな事象が起きたか分かるように書く

競技規則にもありましたが、「いつ」「どこで」「誰が(誰に)」「どのように」「どうした」が大事です。

読み手にその時の光景が思い浮かぶように記入しましょう。

主観的な表現はなるべく避けて、客観的な表現を使いましょう。

これが結構難しいんですが、誰が読んでも同じ理解になるようにするイメージです。

国語力UP.comより

【主観的と客観的の違いについて】

https://kokugoryokuup.com/subjective-objective/

ポイント②競技規則の何を適用したのか

一発退場をさせた場合は、競技規則の何を適用して退場処分としたのかを明記する必要があります。

決定的な得点の阻止なのか、著しく不正なプレーなのか、乱暴な行為なのか。

そして、実際に起きた事象と適用した内容が必ず一致していなければなりません。

と、ここまで書きましたが、実際に具体的な記入例がないとなかなか難しいと思います。

競技規則にも全然記入例ないですし。

ここからは、自身の経験を元に具体的な記入例の説明をしていきます。

具体的な記入例①(著しく不正なプレー)

相手競技者の蹴り足に対して、足裏での危険なスライディングタックルがあって退場処分にしたという想定です。

審判報告書(重要事項)に書くとすると、以下のような内容になると思います。

構成としては、こんな感じです。

本文構成
  • タイトル(何分、○○選手の~による退場について)
  • いつ、どこで、どんな状況で、何が起きたか
  • 競技規則の何に該当し、退場処分としたのか
  • 競技者がフィールドを離れる様子

著しく不正なタックルとしているのですが、そのタックルの悪質さの表現が結構難しいです。

この例では、足裏を上げて、勢いよく、激しく衝突したなどの文言を用いて表現しています。

具体的な記入例②(侮辱的な発言)

次は、審判員に対する侮辱的な発言があり、退場処分にしたという想定です。

審判報告書(重要事項)に書くとすると、以下のような内容になると思います。

こちらも構成としては、以下の通りです。

本文構成
  • タイトル(何分、○○選手の~による退場について)
  • いつ、どこで、どんな状況で、何が起きたか
  • 競技規則の何に該当し、退場処分としたのか
  • 競技者がフィールドを離れる様子

このケースでは、声量がどうだったのかがポイントです。独り言をつぶやいたのか、それとも大きな声で言い放ったのか。それによって、印象も大きく変わってきます。

今回は、大きな声で言っていたことを周囲にも聞こえるような声量でという風に表現しています。

こんな風な客観的な表現が大事だと思われます。

発言系は注意が必要

発言系は注意が必要です。

「攻撃的な、侮辱的な、または下品な発言や身振りをする」に該当する事象であればいいんですが、

例えば、役員が退場となる項目で

「意図的にテクニカルエリアの外に出て、審判員に異議を示す、または抗議する」というものがあります。

この項目で退場処分を行った場合は、本当に審判員に対する異議や抗議であったのか、しっかり見極める必要があります。

あとで、あれは審判員に言ったものではなかったなどと言われてしまうと、辛い思いをするのは審判員の方です。

周りから見てどうか、間違いなく自分に対して向けられた発言なのかどうか、発言の主語をしっかり拾うことも意識すると良いと思います。

審判報告書(重要事項)を提出したら

審判報告書(重要事項)を提出したら、最終的には規律委員会というところに届くようです。

規律委員会で、報告書の内容を確認し、起こったことの程度や悪質性などを踏まえて出場停止処分の試合数などが最終的に決定されるようです。

そこには、退場処分となった後の振る舞いも考慮点のひとつになっているようなので、競技者がフィールドから離れるときの様子まで記入しておく必要があるとのことです。

最後に

今回は審判報告書(重要事項)の記入方法について書きました。

一発レッドとか試合中に起きないのが一番いいんですけど、コントロールできない部分あります。

くどいようですが、審判報告書(重要事項)本文の構成は以下の流れでいいと思います。

本文構成
  • タイトル(何分、○○選手の~による退場について)
  • いつ、どこで、どんな状況で、何が起きたか
  • 競技規則の何に該当し、退場処分としたのか
  • 競技者がフィールドを離れる様子

競技規則にも記載あります。

この流れで記載してもらえれば、大きな修正は入らないかなと思います。

それと、審判報告書(重要事項)の提出前には、必ず審判委員会の上層部の方に本文の内容をチェックしてもらってください。

公式記録との整合性も取らないといけなかったりしますし、記載や表現に間違いがないかを確認が必要です。

試合が終わった後にあれこれ考えて文章書くのはなかなか大変だとは思いますが、頑張って記入しましょう。

また、今回の具体例は一発退場のみとなっています。

それ以外の内容を記載することがありましたら(ないに越したことはないですけど)、また共有したいと思います。

以上最後まで読んで下さってありがとうございました。

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